公園文化ロゴ

練習問題

解説

 第 1 問

江戸時代の儒者で博物学者の貝原益軒は、「【 】を見るのは巳の時(午前11時頃)がよい。・・中略・・午の時(正午)より後に見るのは【 】というものを知らないからだ」と述べました。【 】に入る植物は何でしょうか?

    ①  バラ
    ②  ボタン
    ③  キク
    ④  ツバキ

  • 正解: ボタン

ボタン科は33種がユーラシア大陸と北アメリカに分布し、日本には2種自生し、ボタンとシャクヤクが広く栽培されています。ボタンは中国北西部の原産といわれ、日本へは奈良時代に薬用として渡来したようです。中国で「花王」とまで呼ばれた美しさは、日本においても人気を集め、特に江戸時代には300以上もの品種がつくられました。教訓書の『養生訓』や儒書の『大疑録』で有名な貝原益軒(1630〜1714)は、自然科学分野では『大和本草』を著し、薬用植物のみならず、農産物や加工食品、草花類などについて記しています。また、益軒は、自宅の庭で花や野菜などを作った経験を『花譜』や『菜譜』として刊行しています。
問題文とした花の鑑賞法は、1709年に刊行された『花譜』に記されている一文で、「牡丹をみるに、巳のときをよしとす。巳より後はひらけすぎ、花の精神おとろへちからなし。うるはしからず。午時より後にみるは、牡丹をしらざるなり。」とあります。

 第 2 問

図版は香川県の金刀比羅宮の奥書院に残る、江戸中期の画家、伊藤若冲が描いた「花卉図」の中の一つです。
この植物は何でしょうか?

    ①  シデコブシ
    ②  オオヤマレンゲ
    ③  ハクモクレン
    ④  シモクレン

  • 正解: ハクモクレン

伊藤若冲(1716?1800)は、京都錦小路の青物問屋の長男として生まれました。初め狩野派に学び、ついで宋・元・明の中国画を研究し、さらに自然を観察して、独自の異色ある画風を展開しました。生涯独身で、晩年は京都深草の石峰寺の近くに隠棲しました。
この「はくもくれん図」は、金刀比羅宮の奥書院「上段の間」の襖、壁、床の間を埋めつくすように描かれた「花卉図」の襖に描かれた一つです。およそ縦30cm、横40cmの区画に1つの花を描くという構成で、全201図の「花卉図」が紙本金地の画面に整然と配されています。
ハクモクレンは中国中部原産といわれ、日本にも早い時期に渡来していたようです。中国では赤紫色の花をつけるシモクレンとともに高貴な花木として愛好され、詩や絵画の題材によく用いられます。

 第 3 問

次の植物はいずれも比較的花期が長いことで知られていますが、特に開花期間が長く5〜6か月間咲き続ける植物はどれでょうか?

    ①  サザンカ
    ②  アジサイ
    ③  サルスベリ
    ④  ハナゾノツクバネウツギ

  • 正解: ハナゾノツクバネウツギ

ハナゾノツクバネウツギはスイカズラ科の雑種で、半常緑低木です。通常属名のアベリアの名で知られています。花期が非常に長く6月から11月まで咲き続けます。
花物の植え込み材料として群植、列植、寄せ植え、また単植でも活用されます。生け垣や公園緑地・庭園・芝生地の境栽、建築物周囲の植栽、街路樹の植樹帯、のり面の修景、人工地盤の緑化などに広く用いられます。性質が強健で強い剪定にも耐えるため、刈り込みによって形状を低く維持した植栽もよく見られます。花色は白が基本で、改良種に赤、ピンク、斑入葉があります。

 第 4 問

この植物はモクセイ科の落葉樹で、日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布しており、初夏に白い花を咲かせます。ナンジャモンジャと呼ばれることもあります。
この植物は何でしょうか?

    ①  アセビ
    ②  ギンモクセイ
    ③  ヒトツバタゴ
    ④  マンサク

  • 正解: ヒトツバタゴ

ヒトツバタゴはモクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉高木で、本州中部、対馬、朝鮮半島、中国、台湾に分布しています。国内では限られた地域に自生しており、岐阜県土岐市の白山神社にある大木および岐阜県瑞浪市、恵那市、蛭川村、愛知県犬山市、長崎県上対馬町の自生地は国の天然記念物に指定されています。
名前の由来は、尾張(現愛知県)の本草学者、水谷豊文(1779〜1833)が江戸時代末に発見し、同じモクセイ科のトネリコの仲間で葉が単葉のことから一ツ葉(ヒトツバ)タゴと名づけたといわれています。タゴはトネリコの方言です。また、東京の明治神宮外苑に植えられていたものは古くから有名で、名前がわからないままナンジャモンジャと呼ばれていました。属名のキオナンツスはギリシャ語の雪と花にちなんだもので、その名とおり、初夏に白い花が咲いた様子は、木全体が雪でおおわれたようです。

 第 5 問

毎年5月15日に、京都の上賀茂、下鴨両神社で賀茂祭で、植物は、行列に参加する祭員の挿頭花(髪かざり)に用いられ、また、家々の軒にもかざられる植物があります。
この植物は何でしょうか?

    ①  ユウガオ
    ②  ベニバナ
    ③  フタバアオイ
    ④  ムラサキ

  • 正解: フタバアオイ

賀茂祭は別名葵祭と呼ばれ、京都の人にとっては、ただ「祭り」といえばこの祭りを指します。上賀茂神社の祭神、別雷神が姿を現した御形山に双葉のアオイが生じたという故事にもとづくものと伝えられ、雷と地震の厄除けになるという信仰があります。また、フタバアオイは、日・火の神の象徴であったと考えられます。一方、水の神の象徴はユウガオです。また、現在、国技ともなっている相撲は、古くは田に関連の深い神事で7月7日(節会)に行われました。平安時代の『江家次第』という書物によると、その節会では、左方の力士はフタバアオイを髪にかざし、右方の力士はユウガオの花をかざして登場し、左方が勝てば日が強くなり晴れ、右方が勝てば雨であったそうです。稲の実りが最大の関心事であった当時は、天候の不順を恐れ、雨が多い年は左方、晴天続きで水不足の年は右方が勝つことがはじめから決められていたといわれています。
フタバアオイはウマノスズクサ科の多年草で、別名カモアオイ(加茂葵)ともいいます。フタバアオイの茎は地表を這い、先端から通常2枚の葉を出します。 選択肢の植物名はいずれも『源氏物語』に登場し、光源氏に愛された女性の名とされています。夕顔は光源氏と出会った後、一夜ではかなく息絶えてしまう女性、葵は光源氏の初めての結婚相手で年上の妻、末摘花はベニバナの一名、そして紫の上は源氏最愛の妻です。意外なようですが、紫の上は最後まで正妻の座につくことはできませんでした。

 第 6 問

「咲いた花よりナー 見る花よりもヨー 摘んで楽しい 花の唄」
「花の六月ナー 二度あるならばヨー 枯れた枝にも 花が咲く」
この民謡は山形県の名産の花をうたっていますが、何の花でしょうか?

    ①  ナノハナ
    ②  サクラ
    ③  ベニバナ
    ④  ソバ

  • 正解: ベニバナ

ベニバナはキク科の一年草で小アジア、エジプトが原産です。30〜90cmの高さになり、葉は広披針形で周囲にとげがあります。夏に紅黄色のアザミに似た花をつけます。わが国には古く中国からが輸入され、東北地方、特に山形県を中心に栽培されました。花を採集して染料や紅をつくりましたが、今日では北米において、切花用や紅花油として盛んに栽培されています。特に紅花油はコレステロール値を下げる薬効があることから生産が盛んです。別名、末摘花とも呼ばれ『源氏物語』の中にもその名があります。
「咲いた花よりナー・・・・」の民謡は山形県山形市で伝わる『紅花摘み唄』で、ベニバナ摘みの作業で歌われていました。ベニバナは茎にもとげがあり、花を摘む手を傷つけました。そのため、ベニバナは、朝早く夜露にぬれてとげがやわらかい時間に摘まなければならず、ベニバナ摘みは重労働だったといわれています。民謡では「花を摘むのもナーそもじとならばヨーいらか刺すのも何のその」と歌われています。

 第 7 問

この落葉高木では欧米では街路樹や公園樹として広く植えられています。初夏にやや赤みを帯びた白い花が咲きます。種子は栗に似ています。
この植物は何でしょうか?

    ①  サンザシ
    ②  マロニエ
    ③  ハナミズキ
    ④  ポプラ

  • 正解: マロニエ

マロニエは和名をセイヨウトチノキといい、ムクロジ科(旧トチノキ科)でバルカン半島南部原産です。高さ20〜30mになり、葉は対生し、大型の掌状複葉で小葉は5〜7枚です。枝先に高さ10〜15cmの円錐花序に白い四弁花を多数つけます。種子が栗(フランス語でマロン)に似ているのでマロニエと呼ばれます。
第一次世界大戦前のパリに滞在した島崎藤村は、マロニエを「白い蝋燭を挿したやうな花」と表現しました。島崎藤村のほかにも、横光利一の『旅愁』の主人公は、パリのリュクサンブール公園の端にあるホテルの6階に千鶴子を案内し、「この下の並木は、藤村が毎日楽しんで来たという有名なあの並木ですよ」と言います。
永井荷風はマロニエを「市街を飾るべき並木の植物としては、これに優りたるもの無しとせらる」(『ふらんす物語』「橡の落葉の序」)と紹介し、「ああ、わが悲しみ、わが悩み、わが喜び、わが秘密を知るものは、マロニエーよ、汝のみなり」と、マロニエにことよせて忘れがたいフランスを追憶しました。

 第 8 問

ある植物の芽は、前日までは地表に出ていなかったものが、翌日には10cm以上も伸びることがあります。この植物は、同属の中で最も太く生育します。
この植物は何でしょうか?

    ①  モウソウチク
    ②  ワラビ
    ③  ミョウガ
    ④  フキノトウ

  • 正解: モウソウチク

モウソウチクは、イネ科マダケ属の植物です。
原産は中国で、1736年に中国から沖縄に入り、鹿児島を経由して日本の各地に植えられたといわれています。北限は、北海道函館市あたりとされています。高さは10mを超え、太さは直径20cmくらいまでになります。高さではマダケの方が高い場合もありますが、稈(茎)の太さは倍以上あります。わが国に生育するタケのなかでは、最も太いものです。
タケノコは、褐紫色の毛が密生する皮でおおわれています。芽の出始めの先端は、短く細かい毛でおおわれ、毛は緑色または黄緑色をしています。マダケの皮には暗色の斑点があり、ほとんど毛がありません。タケノコの一日の成長量は、1.2mにも達するものもあります。節は60〜70節がふつうですが、大きいものほど節数が多くなっています。

 第 9 問

中国原産のつる性常緑低木のバラで、江戸時代に日本に渡来し、現在では庭木として植えられています。また、このバラにはとげがありません。
この植物は何でしょうか?

    ①  ナニワイバラ
    ②  タカネイバラ
    ③  モッコウバラ
    ④  サンショウバラ

  • 正解: モッコウバラ

バラ属は落葉または常緑の低木で、ほふく性またはつる性になるものもあり、多くはとげがあります。このとげの形状は種を区別する目安の一つとなることもありますが、モッコウバラはその特徴であるとげがないめずらしいバラです。
モッコウバラは中国原産のバラで、江戸中期に日本に渡来しました。長さ6〜7mになるつる性の常緑低木で枝は細く緑色でとげも毛もありません。花は小型で白または淡黄色の八重で、黄花は香りませんが白花には香りがあります。結実はしないので挿し木で増やします。直立させると花つきが悪くなるので、斜めに誘引するとよいでしょう。白花種は香りがあり、愛好家もふえています。

 第 10 問

江戸城を築いた太田道灌は若い頃、武術一筋の人でしたが、この植物の古歌を知らなかったことを恥じ、学問に目覚め、後に文武に優れた武将になったといわれています。
その植物とは何でしょうか?

    ①  ハギ
    ②  ヤマブキ
    ③  サザンカ
    ④  ノイバラ

  • 正解: ヤマブキ

室町時代、太田道灌(1432〜86)は鷹狩の途中、にわか雨にあい、とある農家で蓑を借りようとしたら、その家の娘が八重咲きのヤマブキの枝を差し出しました。道灌はいぶかしく思いましたが、後に『後拾遺集』にある古歌になぞらえたものと気が付きました。この太田道灌を学問に目覚めさせた歌は、「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」という歌です。農家に雨具を蓑を借りようとした道灌に、『ヤエヤマブキは実をつけないので、実の一つさえない、つまり「蓑の一つさえ、貧しい私の家にはありません」と、婉曲にことわりをするために引用された歌です。農家の娘さえ古歌を引く教養を持っているのにと、自分の学のなさを恥じ、以降、学問を志したそうです。
ヤマブキはバラ科の落葉樹で野生では一重の黄花がつきます。ヤエヤマブキはその園芸品種の一つです。

 第 11 問

葉が半纏に似た形をしているのでハンテンボク、また、チューリップに似た花が咲くことからチューリップ・ツリーという別名ももっている落葉樹は、次のうちどれでしょうか?

    ①  アオギリ
    ②  トウカエデ
    ③  トチノキ
    ④  ユリノキ

  • 正解: ユリノキ

ユリノキ(別名:ハンテンボク、チューリップ・ツリー)は、北アメリカ原産で明治初期に日本に渡ってきた落葉樹で、街路樹としても多用されています。自然樹形では幹は直立して分枝し広円錐形となります。樹皮は老樹になると縦に細かい割れ目が生じます。葉は互生で形はやや四角形で半纏に似ており、枝先にチューリップに似た花をつけます。学名の種小名tulipiferaは「チューリップ形の花が咲く」の意味があります。

 第 12 問

この花の香りには、鎮静効果があることが知られています。抽出される精油は、ストレスによる不安などの症状を取り除き、睡眠を誘う効果があります。
この植物は何でしょうか?

    ①  カミツレ(カモマイル)
    ②  ローズマリー
    ③  ラベンダー
    ④  セージ

  • 正解: ラベンダー

ラベンダーはシソ科・多年草の植物です。花だけではなく、茎、葉の全草に香りがあるのが特徴です。
ラベンダーという名は、ラテン語のlavare「洗う」に由来し、古代から入浴に用いられていたという古い歴史があります。そこには香りだけでなく、疲れを取り、リラックスさせる効用とともに殺菌、消毒作用があることも知られていたことがうかがえます。最近ではアロマテラピーの流行により、植物から抽出される精油(エッセンシャル・オイル)が手に入れやすくなりました。数多くあるオイルの中でも、ラベンダーの精油はその幅広い効用と、刺激が少ないことによる使いやすさから世界中で、またわが国でも最も多く使われている精油となっています。入浴にもラベンダーそのものではなく、浴槽に精油を数滴入れれば、手軽にその効用が取り入れられます。ラベンダーの精油(エッシェンシャル・オイル)の効用として、身体的には、ストレスによる神経の緊張から起こる高血圧、肩こり、腰痛などの症状の改善、また心理的ストレスによる怒り、不安などを除き、それによって起こる不眠を解消するなどがあります。

 第 13 問

ミツバチが蜜を吸う植物は、たいへん種類が多く数え切れないほどですが、次にあげる植物のうちミツバチが花粉を運ぶ植物はどれでしょうか?

    ①  レンゲソウ
    ②  イネ
    ③  セキショウモ
    ④  スギナ

  • 正解: レンゲソウ

ミツバチが蜜を吸う植物は、レンゲソウ、ナノハナ、マツバボタン、エニシダなど数え切れないほどです。
花の中には、ミツバチなどハナバチが花粉を媒介(送粉)する特別な花の形があります。昆虫が花粉を媒介する植物を虫媒花といい、特にハチが花粉を媒介する花をハチ(ハナバチ)媒花と呼びますが、ハチの形態や行動に適応した特別な構造が見られます。レンゲソウなどマメ科に多い蝶形花、サルビアなどシソ科に多い唇形花などがそれです。ラン科の複雑な構造をもった花にもハチ媒花が多く見られます。一方、スギやイネなどは、花粉が空中をただよって風で運ばれるものを風媒花といいます。これらは空中に飛ぶ花粉の量が多いので、花粉症などアレルギーの原因となる場合もあります。水草のなかには花粉が水によって運ばれる水媒花もあります。ツバキなどは、メジロ、ヒヨドリなどの鳥が花粉を媒介する鳥媒花です。

 第 14 問

この植物は、古くから観賞用に栽培されていたといわれる落葉低木で、現在は庭木や切り花用に多く栽培されています。
この植物は何でしょうか?

    ①  アジサイ
    ②  オオデマリ
    ③  ユキヤナギ
    ④  コデマリ

  • 正解: オオデマリ

オオデマリは、レンプクソウ科(旧スイカズラ科)ガマズミ属の落葉低木です。本州の関東以西、四国、九州、朝鮮半島南部から台湾、中国に分布するヤブデマリの一変種とされています。ヤブデマリは花序中央に両性花があり、周辺に装飾花をつけますが、オオデマリは漢字の大手毬、別名テマリバナ(手毬花)のとおり、小花がすべて装飾花になり、アジサイのような手毬状の花序になります。
園芸植物としての栽培は古く、貝原益軒『花譜』(1694年・元禄7年)にその名が記載され、生け花ではそれに先だつ『立華正道集』(1684年・天和4年)に使われています。また、英名は花の形状からジャパニーズ・スノーボールと呼ばれています。

 第 15 問

芽立ちに斑紋があるのが特徴です。農薬のなかった時代には、トイレに発生するウジや溜め置きの水にわくボウフラを殺すために、トイレや水がめに入れていた地方もあります。
この植物は何でしょうか?

    ①  イタドリ
    ②  ムサシアブミ
    ③  ニワトコ
    ④  ドクウツギ

  • 正解: ムサシアブミ

ムサシアブミはマムシグサ類の中でも西南日本の暖地に生え、3小葉をもつ特異な種で、観賞用に庭に栽培されることもあります。花が鐙の形に似ているのでこの名があります。
昔、宮崎県などではトイレにウジが発生するとムサシアブミの地下の球茎をつぶし、トイレに入れてウジを殺しました。水がめに発生するボウフラにも効くといいます。
ヤギが間違ってムサシアブミの球茎を食べたとき、三日三晩鳴き通し、何も食べなくなった(宮崎県串間市)というほど、摂食すると強烈な刺激作用があり口腔粘膜を麻痺させるそうです。
ムサシアブミに限らずマムシグサ類ならほとんどの種が同様の作用をもっていますが、 他にも、アセビ・バイケイソウ・ハエドクソウのように殺虫剤として広く使われるものはもちろん、クララ・ハナヒリノキなども同じ用途で各地で使われていたようです。

 第 16 問

晩春から初夏にかけて、たいへんよい香りがする花をつけます。果実は秋に黄赤色に熟し、漢方薬や食品用着色料としても利用されています。
この植物は何でしょうか?

    ①  ニチニチソウ
    ②  クチナシ
    ③  カザグルマ
    ④  テイカカズラ

  • 正解: クチナシ

クチナシはアカネ科の常緑の低木で、日本の南西部・中国・フィリピンなどの暖地に自生しています。
中国の古典薬学書『神農本草経』にも収載されているほど、古くから利用されている薬用植物です。生薬名を山梔子といい、消炎・利尿・止血の効果があります。漬け物や正月の栗きんとんやその他の食品の着色料として数多く利用されています。庭木としてもよく植栽され、観賞用としては八重咲きのものも栽培されていますが、結実はしません。

 第 17 問

写真の植物は、かつては民家の草葺き屋根の棟に植えられ、大風や火災から家を守ってきました。その風習を見た外国の植物学者が「屋根のアヤメ」という意味の学名をつけました。何という植物でしょうか。

    ①  カキツバタ
    ②  ハナショウブ
    ③  シャガ
    ④  イチハツ

  • 正解: イチハツ

草葺き屋根の棟に植物を植え、根を張らせて棟の固めとする手法を「芝棟」といいます。かつては関東から東北地方に広く見られましたが、住宅環境の変化とともに激減の一途をたどっています。棟に植えられた植物は、イチハツ、アヤメ、ヤマユリ、オニユリ、ノカンゾウ、ツメレンゲ、イワヒバなど多種多様、日射や乾燥に強い植物で、その代表がアヤメ科のイチハツです。貝原益軒は『大和本草』の中で、「民家芽屋の棟にイチハツを植えて大風を防ぎとす、風いらかを破らず」と記しています。幕末に日本を訪れたロシアの植物学者マキシモビッチは、この珍しい風習を見て「イリス・テクトルム(iris tectorum maxim)」という学名をつけました。種小名は「屋根の」の意味で英名も「Roof Iris(屋根のアヤメ)です。屋根の花園として季節を彩ってきた風習もほとんど見られなくなり、近ごろはニオイイリス(Iris florentina)をイチハツと誤って呼ぶ人が多く、残念です。

 第 18 問

写真のチョウは「アカボシゴマダラ」と言って、もとは温暖な地域に住むチョウでしたが、最近は関東地方でもよく見られるようになりました。写真では赤い点が見えませんが、なくてもアカボシゴマダラだそうです。
 今ちょうど卵を産み付けているところです。この樹木は何でしょう。一緒に青い実が見えますが、これはこの後黒く熟して甘くなります。

    ①  クスノキ
    ②  ケヤキ
    ③  アオハダ
    ④  エノキ

  • 正解: エノキ

エノキを食草とするチョウでは有名なのがオオムラサキでしょう。また、在来種のゴマダラチョウも同じくエノキを食べています。ゴマダラチョウの方はもう少し黒い部分が多いように見えます。
 エノキと似ているのはムクノキで、ケヤキなどと同じニレ科の植物ですが鋸歯が葉の上の方にあることや葉脈が葉の葉時まで届かないことなどから区別できます。
 クスノキを食べるのはアオスジアゲハです。クスノキは常緑で葉の質も厚くなっています。

 第 19 問

写真の◯で囲まれている、2つの植物は、右側の紫色の花が咲いていなければ、よく似ていますが、もし知らないと大変なことになる、正しい説明は、次のうちどれでしょう。

    ①  両方とも食べられる。
    ②  左側の植物は食べられ、右側の植物は毒である。
    ③  右側の植物は食べられ、左側の植物は毒である。
    ④  両方とも毒である。

  • 正解: 左側の植物は食べられ、右側の植物は毒である。

正解は2.左側の植物は食べられ、右側の植物は毒である。
左側はイタリアンパセリ(プレッツェモロ)。花は白く、セリ科に共通の傘型(散状花序(さんじょうかじょ))で5月以降に咲きます。右側は畑の雑草となる、ケシ科のムラサキケマンで、間違えて食べると吐き気(や呼吸困難を起こすとされます。2枚目の写真では花が終わりかけ、さや型の果実がついています。
なお、イタリアンパセリの左上(赤(あか)□枠の中)に写っているスイセンにもかなり強い毒があり、食用のニラや青ネギと間違えて食べ、中毒した例があります。

 第 20 問

イヌサフラン科の「ホウチャクソウ」は、花が「ホウチャク」に似ているためのこの名がつきました。「ホウチャク」とは、何のことか、ご存知でしょうか。次の中から番号を選んでください。

    ①  神社の拝殿の屋根を留める道具
    ②  教会の祭壇にある祭祀用具
    ③  お寺などの外装の飾り金具
    ④  橋の欄干の金具

  • 正解: お寺などの外装の飾り金具

正解は3.お寺などの外装(がいそう)の飾り金具
「宝鐸(ほうちゃく)」は、元々は青銅の鐘型をした物(銅鐸(どうたく))のことで、今では、お堂などの軒に吊る金属の鈴になっており(写真は神奈川県の川崎大師のもの)、「風鐸(ふうたく)」とも、住まいに使われる風鈴の原型ともいわれます。ホウチャクソウの花は長さ2-3cm、下向きの筒型で形がよく似ています。ちなみに、4.の金具は「擬宝珠(ぎぼし)」といい、つぼみの形がそれに似ている植物の名前が「ギボウシ」になりました。